企業の資金調達や従業員インセンティブ制度として活用される「新株予約権(ストックオプション)」。
しかし、新株予約権の発行や行使に伴い、法務局への登記が必要 となることをご存じでしょうか?
本記事では、新株予約権の登記が求められる理由や、登記事項、申請に必要な書類について詳しく解説 します。
1. 新株予約権とは?
新株予約権 とは、一定の条件を満たした場合に、会社の株式を取得できる権利 です。
企業はこれを活用して、資金調達 や ストックオプションの付与 を行うことができます。
資金調達手段:投資家に新株予約権を発行し、将来的な株式取得を可能にする
ストックオプション:従業員や役員に付与し、モチベーション向上を図る
しかし、新株予約権は商業登記の対象となるため、発行時や行使時には法務局への適切な手続きが必要 となります。
2. なぜ新株予約権の登記が必要なのか?
新株予約権は、「行使されることで株式に変わる権利」であるため、その発行や行使を公に明確にする必要があります。
商業登記の目的
登記制度は、会社の重要な事項を公示し、投資家・株主・取引先などの利害関係者に対して透明性を確保するためのもの です。
会社法や商業登記法では、以下のような企業活動に関する重要事項が登記対象となっています。
登記事項の区分 | 内容 |
---|---|
商号区 | 会社名・法人番号・設立日 |
目的区 | 事業内容(会社の目的) |
役員区 | 取締役・監査役の氏名、就任・退任日 |
株式・資本区 | 発行済株式総数・資本金額・単元株数 |
新株予約権区 | 新株予約権の発行・行使・消滅 |
このように、新株予約権は会社の財務・株式に関わる重要な権利であり、登記によって透明性を確保する必要がある のです。
3. 新株予約権の登記事項
新株予約権を発行・行使する際には、以下の内容を登記簿に記載する必要があります。
登記事項 | 内容 |
---|---|
新株予約権の名称 | 「第〇回新株予約権」など |
新株予約権の数 | 発行される権利の個数 |
目的となる株式の種類・数 | 行使時に発行される株式の種類・数 |
行使価格 | 新株予約権を行使する際の株式購入価格 |
行使期間 | いつからいつまで行使できるか |
行使条件 | 役員・従業員の在籍要件など |
会社による取得条件 | 会社が新株予約権を取得できる場合 |
発行日 | 新株予約権を発行した日 |
登記漏れがあると、会社に過料(罰則)が科される可能性があるため、注意が必要です。
4. 新株予約権の行使時に必要な登記
新株予約権が行使されると、会社の資本金や発行済株式数が変動するため、変更登記が必要 となります。
行使時の変更登記の記載事項
新株予約権の残存数
目的となる株式数の増加
資本金の増加
発行済株式総数の変更
登記申請の期限
会社法第915条 により、新株予約権の行使があった場合、
「行使日から2週間以内」に変更登記を申請する必要があります。
ただし、同じ月内に複数の行使があった場合は、月末で一括して登記申請が可能 です。
5. 新株予約権の登記に必要な書類
新株予約権の発行・行使に関する登記申請には、以下の書類が必要です。
新株予約権の発行時
株主総会議事録(発行決議)
取締役会議事録(取締役会決議が必要な場合)
発行要項
払込証明書(有償発行の場合で必要な場合のみ)
新株予約権の行使時
行使請求書(新株予約権者からの申請書)
資本金額の計上に関する証明書
払込証明書(行使による資本金増加時)
株主リスト(必要に応じて)
新株予約権の行使があった場合、申請期限を過ぎると「100万円以下の過料」が発生する可能性がありますので、速やかに手続きを行いましょう。
6. まとめ
本記事では、新株予約権の登記が必要な理由や、発行・行使時の登記事項、必要書類について解説しました。
新株予約権は、発行時と行使時に登記が必要
登記によって、会社の財務・株式に関する透明性を確保する
登記漏れは過料(罰則)の対象になるため注意が必要
必要書類を準備し、2週間以内に適切に登記申請を行うことが重要
企業の資金調達や従業員のモチベーション向上に活用される新株予約権ですが、適切な登記手続きを行わなければ法的リスクを伴う可能性があります。
「新株予約権の発行・登記で不安がある…」 という方は、ぜひ専門家に相談することをおすすめします!
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