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ストックオプションの会計処理における発行価額と費用認識の関係

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新株予約権(SO)

ストックオプションの発行時には、会計上「公正価額(フェアバリュー)」を基礎に費用処理が行われます。
とくに有償・無償の別によって、発行価額と費用計上額の関係が異なります。

会計処理の基本構造

会社はストックオプションを発行する際、その公正価額を算定します。
公正価額は、株価・行使価額・権利行使期間・配当率などをもとに算定される「理論上の価値」です。

  • 公正価額は、発行時点で付与される報酬価値を表す。
  • 発行価額(払込金額)との差額が、会社の費用(株式報酬費用)として処理される。

無償ストックオプションの処理

無償ストックオプションの場合、付与対象者は発行時に払込を行いません。
そのため、公正価額の全額を株式報酬費用として費用認識します。

  • 発行価額:0円
  • 公正価額:算定額(例:100円)
  • 会計処理:100円 × 新株予約権数分を費用計上

この費用は、権利確定期間がある場合には、その期間にわたって按分して認識します。

有償ストックオプションの処理

有償ストックオプションの場合、対象者は公正価額に相当する金額を会社に払い込みます。

  • 発行価額と公正価額が一致する場合:費用計上なし
  • 発行価額が公正価額より低い場合:その差額分を株式報酬費用として計上
  • 発行価額が公正価額以上の場合:費用計上不要

このように、有償SOでは「払込金額と理論価値の差額」が費用認識の根拠となります。

権利確定条件と期間按分

ストックオプションに権利確定条件(勤続・業績達成など)がある場合、
付与時点では費用を一括で計上せず、権利確定までの期間に応じて按分処理します。

たとえば

  • 権利確定期間:3年
  • 総費用額:3,000,000円
    → 各事業年度に1,000,000円ずつ計上。

実務上の留意点

  • 公正価額の算定方法(モデル)や前提条件を文書で保存しておくこと。
  • 有償SOでは、払込金額が「有利発行」に該当しないように注意。
  • IPO準備企業では、監査法人と連携して費用認識タイミングを事前確認することが重要。

まとめ

ストックオプションの会計処理では、発行価額と公正価額の差額が費用認識の中心となります。
無償SOでは公正価額全額を費用とし、有償SOでは差額のみ費用認識します。
権利確定条件がある場合は、期間按分処理を適切に行い、会計上の整合性を保つことが求められます。


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