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ストックオプションの有効期間が満了したらどうする?失効・登記・会計処理までを一括整理

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新株予約権(SO)

新株予約権(ストックオプション)は、行使期間を過ぎると自動的に行使できなくなります。
では、その後の手続きは何が必要なのでしょうか?

  • 登記は必要?
  • そのまま放置してもいい?
  • 会計帳簿やキャップテーブルからどう除外する?

本コラムでは、ストックオプションの「行使期間満了=失効」後の法的・登記的・実務的対応をまとめて解説します。

1.行使期間を過ぎたストックオプションはどうなる?

会社法上、行使期間を過ぎた新株予約権は当然に権利が消滅(失効)します。
これは契約条項で別段の定めがない限り、会社との手続を要せず、法的に自動で失効となります。


行使期間 2020年4月1日〜2025年3月31日
→ 2025年4月1日時点で、行使されていなければ失効扱いとなる。

2.失効したストックオプションの登記はどうする?

新株予約権が消滅したときは、消滅した旨の登記が必要です。

【登記実務のポイント】

項目対応
失効の法的根拠行使期間満了により当然消滅
登記の必要性全部消滅登記を行う必要あり
登記期限消滅日から2週間以内(遅延しても申請は可能であり申請しなくてはならない)
提出書類登記申請書のみ(消滅の事実は登記簿から当然に判明する

3.会計・キャップテーブル上の扱いは?

失効後の新株予約権は、潜在株式数から除外されるため、以下の調整が必要になります。

  • キャップテーブル(資本構成表):発行済みSO数からの削除
  • 会計処理(IFRSなど):未行使残高の取り崩し/費用の戻入調整
  • 監査対応:失効の確認書類(契約+登記)が求められるケースあり

4.実務での注意点と“ありがちな放置”

よくある誤解・ミス実際のリスク
登記しなくても自然消滅したから問題ない→ 登記懈怠(過料リスク)、デューデリで指摘対象になる
失効後もキャップテーブルに載せている→ 潜在株式数が過大計上され、投資家や監査法人から不信感
管理担当が変わって処理漏れ→ 発行履歴が曖昧になり、過去の責任所在不明に

5.失効処理を正しく行うための実務フロー

  1. 行使期間満了日を迎えた新株予約権をリストアップ
  2. 権利行使の有無を確認(残存していれば対象)
  3. 消滅したことを確認し、登記申請書を作成
  4. 法務局に全部消滅登記を申請
  5. キャップテーブル・会計処理・社内管理台帳を更新

「自然消滅」は誤解、失効後も“登記と記録”が求められる

ストックオプションは、発行時だけでなく、終了時にも法的・登記的な責任が発生する制度です。
行使期間の満了によって自動的に失効した場合でも、会社としての登記義務と記録義務は残るという点を見落としてはなりません。

登記・キャップテーブル・会計がズレると、IPOや資金調達時の信頼性に直結する問題となります。
SOの管理は、「始まり」だけでなく「終わり方」も含めて、専門的に対応していくことが求められます。

当法人では、ストックオプションの発行から登記までトータルサポートしています。お気軽にご相談ください。