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ストックオプションの権利行使とは?実務フローと税務上の留意点を徹底解説

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新株予約権(SO)

ストックオプション(SO)は、将来自社株をあらかじめ決められた価格で取得できる権利として、役員・従業員へのインセンティブ報酬として広く活用されています。
しかし、制度の利用を検討する中で、「ストックオプションの“行使”とは何を意味するのか?」「行使時に何が起きるのか?」という基本的な疑問が実務現場では少なくありません。

本コラムでは、「ストックオプションの権利行使」の意味、タイミング、発生する税務、手続き上の留意点までを体系的に解説します。

ストックオプションの“権利行使”とは?

ストックオプションにおける「権利行使」とは、あらかじめ決められた行使価額を支払って、会社から株式を取得する手続きのことです。

  • 例:行使価額100円/株 → 100円払って1株取得
     ※実際の市場価格が1,000円であれば、差額900円の含み益が得られる

つまり、「行使」とは“株式を買う行動”そのものであり、まだ売却はしていません。

行使できるタイミング(権利行使期間)

ストックオプションは、付与された直後に行使できるわけではなく、会社ごとに「行使可能期間(権利行使期間)」が設定されています。

税制適格SOの要件(令和6年改正後)

区分行使開始行使終了
一般(非上場)付与日から2年超付与日から10年以内(設立5年未満は15年以内可)

※条件未達(IPO未実現・在籍期間不足等)の場合、権利が消滅する「失効」条項が設定されていることもあります。

権利行使時に発生する税金とは?

ストックオプションの種類によって、行使時に課税されるかどうかが決まります。

種類行使時課税売却時課税
税制適格SOなし譲渡所得(20.315%)
税制非適格SO給与所得(最大55%)譲渡所得(20.315%)
有償SO原則なし譲渡所得(20.315%)
信託型SO給与所得譲渡所得(20.315%)

【補足】

税制非適格SOの場合、「行使時点の株価 − 行使価額」が給与所得として課税対象になります。
権利を行使しただけで株式は保有しているだけなので、まだ現金収入がない状態で課税される点に注意が必要です。

行使の実務フロー

  1. 行使申請書の提出(本人→会社)
  2. 行使価額の払込(預金振込など)
  3. 株式の発行/登記手続き
  4. 株主名簿の書換え・通知

※非上場会社では「株式の譲渡制限」「譲渡承認手続」等が同時に発生する場合があります。

実務上の注意点

① 行使には「自己資金」が必要

行使価額が1株100円でも、1万株なら100万円必要です。売却はその後なので、資金繰りに注意が必要です。

② 行使しないと失効することがある

多くのSOでは、在籍条件・IPO条件・行使期間終了などにより、行使可能期間を過ぎると権利が消滅(失効)します。

③ 上場前に行使した株は換金困難

非上場会社の株式は市場性がなく、現金化まで時間を要するため、上場前の行使は資金繰りや税負担の点で慎重な判断が求められます。

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