ストック・オプションの発行方法について
ストック・オプションを発行するに心がけておきたいこと
ストック・オプションは、役職員へキャッシュアウトがなくインセンティブを付与できる魅力がある一方で、権利行使のない職員にとってはモチベーションが低下することや株式の希薄化などといったリスクも生じます。
そのため、企業でまず導入するか否かを慎重に検討することが必要になります。
ストック・オプション発行方法
ストック・オプションを導入する際には、ストック・オプションの種類や対象を慎重に社内で検討することが必要です。
ストック・オプションには適用される税制や費用の負担方法によって種類がいくつかあります。
どの方法を選ぶかにより、付与対象となる役職員の権利行使の出費や納税のタイミングも異なりますので注意しましょう。
そして株主総会で決議する前に、付与対象者や発行するストック・オプションの数、発行価格、割当日を社内で検討しておきます。
その後、株主総会でストック・オプションの募集要項を決定します。
新株予約権の内容や数、発行価額、行使価額、割当日、払込期日などです。
公開会社の場合は取締役会で、非公開会社であれば株主総会の特別決議で決定していきます。
次に、決定した付与対象者と割当契約を結びます。
付与対象者や割当数が決定している際は、決定した募集事項の通知後に新株予約権の申し込みや割当の手続きが必要ありません。
発行してからは新株予約権原簿を作成することが義務化されていますので、ここに新株予約権の氏名と住所や新株予約権の有する新株予約権の内容及び数を記載することになります。
また、新株予約権の発行は株式会社の登記事項と会社法にて定められているのです。
割当日から2週間以内に会社の登記簿を変更しなければなりませんので、忘れずに登記申請を行います。
税制適格ストック・オプションの適用要件として、新株予約権者の氏名などが記載された調書を税務署へ提出します。
ここで調書の提出を怠ると、税制優遇措置の適用が受けられなくなるため、付与対象者が負担する税額が増額する場合や報酬として効果が薄くなってしまうおそれがあるので気をつけましょう。
ストック・オプションを発行する際の注意点
ストック・オプションは、役員や職員のモチベーションアップが目的として発行されていますので、なるべく役職員のモチベーションを高められるような内容で検討することが重要です。
また、ストック・オプションの行使時に給与所得の課税が行われると、役職員のメリットが減少することからインセンティブも下がってしまうでしょう。
そのため、給与所得課税が行われないように検討することをおすすめします。
行使の際に給与所得課税が行われないストック・オプションの種類には、有償型ストック・オプションと税制適格ストック・オプション、そして信託型ストック・オプションがあります。
このいずれかを選ばれるとリスクを避けられるでしょう。