パフォーマンスシェアとは?仕組みやメリット・デメリット、導入時のポイントを徹底解説

近年、多くの企業が導入を進めている株式報酬制度の一つに、「パフォーマンス・シェア(業績連動型株式報酬制度)」があります。これは、企業の業績目標の達成度合いに応じて、役員や従業員に株式が付与される仕組みです。

この制度は、役員や従業員のインセンティブ向上企業価値の最大化を目的としています。しかし、導入にはメリットだけでなくデメリットもあるため、慎重に検討する必要があります。

本記事では、パフォーマンス・シェアの仕組みや特徴、導入のメリット・デメリット、実際の企業の導入事例について詳しく解説します。

目次

パフォーマンス・シェア(業績連動型株式報酬制度)とは?

1-1. パフォーマンス・シェアの基本概要

パフォーマンス・シェア(Performance Share, PS)とは、企業の業績向上と株価上昇を促すために導入される株式報酬制度の一種です。
役員や従業員に対し、事前に業績目標を設定し、その達成度に応じて譲渡制限付き株式を交付
する仕組みになっています。

ポイント

  • 一定の業績目標を達成すると、譲渡制限が解除され、株式を自由に売却可能となる
  • 役員や従業員の業績貢献に応じた報酬体系を構築できる
  • 企業価値向上に直結しやすいインセンティブ設計が可能

1-2. パフォーマンス・シェアの仕組み

パフォーマンス・シェアは、以下の流れで運用されます。

  1. 業績目標を設定(例:売上高〇〇億円、ROE〇%以上など)
  2. 譲渡制限付き株式を付与
  3. 業績評価期間(通常3年)を経て、業績達成度を評価
  4. 業績目標達成度に応じて、譲渡制限を解除
  5. 従業員・役員が自由に株式を売却可能

2. パフォーマンス・シェアのメリット

パフォーマンス・シェアを導入することで、企業側・受給者側双方にメリットがあります。

2-1. 企業側のメリット

役員・従業員の業績向上を促進 → 業績目標に応じた報酬が設定されるため、経営陣や従業員のモチベーション向上に寄与。

企業価値向上と株主利益の一致 → 役員や従業員が自社株価の向上を意識することで、企業価値の最大化が期待できる。

資金流出を抑えられる → 株式報酬のため、キャッシュアウトを抑えつつ報酬を支給可能。

優秀な人材の確保・流出防止長期的なインセンティブ設計が可能なため、優秀な人材の引き留めや採用に有効。

2-2. 受給者(役員・従業員)のメリット

努力次第で高額報酬を得られる → 業績達成度に応じて報酬額が変動するため、成果次第で大きな報酬を得られる可能性がある。

権利行使価格の負担が不要ストックオプションと異なり、株式購入のための支払いが不要

パフォーマンス・シェアのデメリット

メリットが多いパフォーマンス・シェアですが、以下のデメリットにも注意が必要です。

3-1. 企業側のデメリット

株式の希薄化リスク新株を発行する場合、既存株主の持分が薄まるため、株主との調整が必要。

業績評価が難しい → 業績指標の設定が不適切だと、役員や従業員のモチベーションが下がる可能性がある。

制度運用の手間導入には法務・税務の対応が必要で、管理コストも発生する。

3-2. 受給者のデメリット

税負担が発生権利確定時に給与所得課税されるため、税負担が重くなる可能性がある。

株価変動リスク → 企業業績が悪化すると、報酬として得た株式の価値が下がるリスクがある。

パフォーマンス・シェアの導入事例

4-1. ユナイテッド・アローズ

対象者:監査役を除く全取締役
内容

  • 3年間の業績達成度(経常利益・ROE)に応じて譲渡制限解除
  • 3億円の報酬枠を設定

4-2. ヤマハ

対象者:社外取締役・監査役を除く取締役・執行役員
内容

  • 10年間の業績指標(営業利益率・ROE)に応じて株式付与
  • 達成度に応じた譲渡制限解除

パフォーマンス・シェアの会計処理・税務処理

5-1. 会計処理

  • 付与時:費用計上なし
  • 権利確定時:株式の市場価値に応じて株式報酬費用を計上

5-2. 税務処理

  • 権利確定時給与所得として課税
  • 株式売却時譲渡所得(20%の税率)として課税

まとめ

パフォーマンス・シェアが向いている企業

企業価値の向上を重視したインセンティブを設計したい
長期的な業績向上にコミットできる役員・従業員向け報酬を考えている
ストックオプションの代替策を検討している

導入時に注意すべき点

業績評価基準の適切な設定
税務・会計処理の確認
株主との調整(株式希薄化リスク)

パフォーマンス・シェアは、企業の長期的な成長と経営陣・従業員のモチベーション向上に有効な報酬制度です。しかし、適切な運用が求められるため、導入の際は慎重な設計が必要です。

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