新株予約権の発行に際しては、登記事項として「行使期間」を具体的に定める必要があります。
行使期間の設定は、会社法施行前後で取扱いが変化しており、現在は発行決議で具体的に期間を定めることが必要とされています。
行使期間の法的位置づけ
新株予約権の行使期間は、株主総会または取締役会での発行決議において定めるべき事項です。
行使期間の定め方
行使期間の定め方には、主に次の二通りがあります。
- 具体的な日付で定める方式
「2025年4月1日から2030年3月31日まで」など、開始日と終了日を明示する方法。 - 相対的な期間指定方式
「割当日から○年間」など、一定の時期を起点とする方法。
後者の方法も実務上認められていますが、登記の際には、登記官が開始日・終了日を特定できる内容であることが原則求められます。
行使期間と登記の関係
登記においては、発行決議で定められた行使期間をそのまま登記事項に反映します。
実務上の注意点
- 発行決議時点で行使期間の始期と終期を明示すること。
- 行使期間が極端に長期(例:50年以上)となる場合、合理性が疑問視されることがある。
行使条件との関係
行使期間は、行使条件とは別個の概念です。
行使条件が「権利を行使できるための要件」であるのに対し、行使期間は「権利を行使できる時期」を定めるものです。
両者を混同しないよう、発行決議・登記事項上も明確に区別して記載する必要があります。
まとめ
新株予約権の行使期間は、登記事項の中でも最も基本的かつ重要な要素です。
発行決議時に開始日・終了日を明確に定め、行使条件と混同しないよう整理しておくことで、
補正リスクを回避し、登記実務を円滑に進めることができます。
