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新株予約権を活用したM&Aスキームの基本構造と実務上のポイント

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新株予約権(SO)

企業買収の手法は多岐にわたりますが、「新株予約権(ストックオプション)を利用したM&Aスキーム」への注目が高まっています。
従来、新株予約権はストックオプションや資金調達、敵対的買収防衛の手段として知られてきましたが、昨今は段階的な買収の実現リスクコントロールを目的に、M&A実務でも活用される場面が増えています。

本稿では、元コンテンツの範囲内だけで、新株予約権を利用したM&Aスキームの基本と実務の要点を整理します。

M&Aに新株予約権が活用される理由

M&Aといっても「合併・買収」の手法や対価は一律ではありません。
例えば合併では、効力発生日に法的効果が一気に生じるため、

  • 偶発債務
  • シナジー効果が読めない
    といったリスクを避けることが難しい場合があります。

この点、新株予約権を使ったM&Aスキームでは、
段階的に支配比率を高めることができ、効果を検証しながら進められる
というメリットがあります。

これは、買収側・被買収側の双方にとって、リスク対応がしやすい手法です。

新株予約権による段階的買収が可能になる仕組み

新株予約権は複数回にわけて発行することが可能です。
そのため、買収側は

  • 一度に多数の株式を取得する必要がない
  • 市場から大量の株式を購入するのに比べ、現金負担が小さい
  • 必要に応じて次の権利行使を見送ることもできる

といった柔軟な動きが可能になります。

条件設定によっては
「一度行使しなかった場合、以降の権利は行使しない」
といった条項を設ける例もあり、より段階的な関与がしやすくなります。

資金負担を抑えた買収を可能にする

TOB(公開買付)ではプレミアムを上乗せする必要があるため、通常は多額の資金が求められます。

一方、新株予約権を引き受ける場合は

  • 発行価格を比較的低く設定できる(有利発行)
  • 行使価額もスキームに合わせて設定できる

ため、まとまった現金を一度に準備せずに買収を進められる点が大きなメリットです。

発行会社側の視点:有利で柔軟なスキーム設計が可能

M&Aスキームで用いる新株予約権は、基本的には通常の新株予約権と異なるものではありません。
会社法236条の定める事項を決定した上で、

  • 行使価額の調整
  • 取得条項の設定
    など、発行会社の事情に合わせた弾力的な条件設計が可能です。

とくに
行使価格修正条項付新株予約権
は、状況に応じて行使価額を修正できることから、M&Aスキームに適した選択肢となります。

また、予定していたシナジーが期待できない場合、取得条項によって発行会社が買い取る形で調整することも可能です。

実際のM&Aスキームの構築について

新株予約権を使った買収は単独で完結させる方法もありますが、他の手法と組み合わせることも考えられます。
ただし、特定の第三者に新株予約権を発行する場合には、状況によって問題が生じる場面もあり得ます。

重要なのは、

  • 資金負担を抑えつつ
  • 段階的に買収を進め
  • 必要に応じてスキームを修正できるようにする

という新株予約権の性質を、M&A全体の設計に落とし込むことです。

新株予約権はかつて買収防衛策としての印象が強い手法でしたが、
現在では “買う側” にとっても有効なスキーム として利用されています。

まとめ

新株予約権を用いたM&Aスキームは、

  • 一度に多額の資金が不要
  • 段階的に支配権を高められる
  • 発行条件を柔軟に設定できる
  • シナジーが見込めない場合の撤退も可能

という特徴を備えています。

買収側・被買収側の双方が、
リスクをコントロールしながらM&Aを進めたい場面に適した手法
といえます。

スキームは企業ごとに大きく異なるため、個別の条件設計や新株予約権の活用方法については、専門家と連携しながら慎重に検討することが重要です。


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