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新株予約権発行が株主に与える影響

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新株予約権(SO)

新株予約権は、一定の条件のもとで株式の交付を受けることができる権利です。
資金調達やストックオプション、買収防衛策などを目的として発行されますが、新株予約権の発行は、既存株主や株価にも影響を及ぼします。
本稿では、新株予約権発行に伴う株主への影響を、希薄化と株価の観点から整理します。

新株予約権と株主の関係

新株予約権は株式そのものではありませんが、将来、行使されることで新たに株式が発行されます。
そのため、新株予約権の発行は、将来的な発行済株式数の増加を前提とする制度です。

株式の希薄化とは何か

発行済株式数の増加

新株予約権が行使されると、新たな株式が発行され、発行済株式数が増加します。
この結果、1株あたりの価値が低下する現象が生じます。これが「株式の希薄化」です。

1株あたり利益への影響

1株あたりの利益は、「当期純利益 ÷ 発行済株式総数」によって算出されます。
発行済株式数が増加すると、当期純利益が同じであっても、1株あたりの利益は低下します。

議決権割合の低下

株主が保有する株式数が変わらなくても、発行済株式数が増加すれば、議決権割合は相対的に低下します。
その結果、株主総会における影響力が小さくなることがあります。

新株予約権と株価の関係

株価は需給で決まる

株価は、株式の需要と供給のバランスによって形成されます。
売り手が増えれば株価は下落し、買い手が増えれば株価は上昇します。

新株予約権発行による影響

新株予約権の発行により、将来的に株式数が増加すると、株主が株式の保有を見直す場合があります。
その結果、株式の売却が増え、株価が下落することがあります。

株価の下落は、企業イメージに影響を与え、今後の資金調達に影響する可能性があります。

ライツオファリングと株主への配慮

新株予約権無償割当(ライツオファリング)は、既存株主に対して新株予約権を無償で割り当てる方法です。
株主は、期限内に新株予約権を行使して株式を取得するか、新株予約権を売却するかを選択できます。

新株発行に伴う株式の希薄化は避けられませんが、ライツオファリングでは、株主に選択肢が与えられる点が特徴とされています。

有利発行と株主総会

有利発行とは、株主以外の第三者に対して、通常より有利な条件(無償を含む)で新株予約権を発行することをいいます。
有利発行は、既存株主の持株比率を低下させるため、株主総会の特別決議による承認が必要とされています。

まとめ

新株予約権の発行は、将来的な株式発行を前提とするため、既存株主に対して株式の希薄化や株価の変動といった影響を与えます。
新株予約権を発行する際には、制度の目的だけでなく、株主や株価への影響を踏まえて整理することが重要です。


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