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株式交付信託(J-ESOP)の仕組みと特徴

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新株予約権(SO)

役員・従業員への中長期的なインセンティブ制度として、株式交付信託(J-ESOP:Japanese Employee Stock Ownership Plan)を導入する企業が増えています。
これは信託を利用して株式を取得・保有し、業績や在籍条件に応じて株式を交付する仕組みで、株式報酬制度の一形態です。

1. J-ESOPの仕組み

  1. 会社が信託銀行等に金銭を拠出
  2. 信託が市場で自社株式を取得または会社から株式を取得
  3. 信託が一定期間株式を保有
  4. 業績目標の達成や在籍条件に応じて、役員・従業員に株式を交付

→ 直接発行ではなく「信託」を介する点が特徴です。

2. 他の株式報酬制度との比較

項目株式交付信託(J-ESOP)譲渡制限付株式(RS)ストックオプション(SO)
株式取得方法信託が取得・保有会社が直接付与新株予約権の付与
株主化の時期交付時付与時行使時
業績連動制限的条件付与で可
希薄化既存株を市場で取得する場合は希薄化なし新株発行分だけ希薄化潜在株式分が希薄化
税務交付時に給与課税、売却時に譲渡所得課税付与時に給与課税適格SOなら売却時のみ課税

3. メリット

  • 信託を介するため、一括で株式を取得・管理できる
  • 株価上昇や業績目標に応じた柔軟な付与設計が可能
  • IPO後の株価形成に合わせた長期インセンティブ設計がしやすい

4. デメリット・留意点

  • 信託設定・維持にコストがかかる
  • 制度設計が複雑で、会計・税務・法務の横断的検討が不可欠
  • 交付時に給与課税が生じるため、受益者の税負担を事前に説明する必要

まとめ

株式交付信託(J-ESOP)は、信託を用いて自社株を保有し、条件達成に応じて役員・従業員に交付する制度です。
希薄化を抑えつつ業績連動型の株式報酬を設計できる点が大きな魅力ですが、導入にはコストや設計の複雑さも伴います。
IPO準備企業や上場会社では、SOやRSと比較し、自社に最適な報酬制度を組み合わせて設計することが重要です。


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