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発行済株式数の判定時期 、ストックオプション付与における基準

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新株予約権(SO)

ストックオプション(SO)の発行にあたっては、普通株式1株あたりの評価額を正しく算定することが、税制適格要件を満たすための前提となります。
その際、重要となるのが「発行済株式数(分母)」をどの時点で捉えるかという問題です。
誤った株式数を用いると、株価評価が過小または過大となり、行使価額要件を満たさず、税制非適格と判断されるリスクがあります。

基準は「付与時点」

発行済株式数は、ストックオプション付与時点の株式数を基準とします。
直前期末の株式数をそのまま流用することは認められていません。
これは、期末から付与日までの間に資本政策が実施され、株式数が変動している可能性があるためです。

種類株式の分配形態による違い

発行済株式数の分母をどう扱うかは、優先株式の分配内容によって変わります。

  • 非参加型の場合
    優先分配後に残余財産の配分に参加しないため、分母は普通株式数のみとなります。
  • 参加型の場合
    優先分配後も残余財産の配分に参加するため、分母は全株式数(普通+優先)となります。

よくある誤りとその影響

誤りの例

  • 「直前期末の株式数」を用いて評価してしまう
  • 優先株式の分配条件を考慮せず、常に全株式を分母とする

影響

  • 普通株式の評価額が実態より低く算出される
  • 行使価額が「時価未満」となり、税制非適格SOと判定されるリスク

実務での確認ポイント

  1. 付与日当時の株主名簿・登記情報を確認する
  2. 優先株式の種類・分配内容を契約書や定款で精査する
  3. 参加型・非参加型の違いを判定し、分母を正しく設定する

まとめ

ストックオプション付与時の株価評価では、「発行済株式数は付与時点の数を用いる」のが原則です。
さらに種類株式を発行している場合は、参加型か非参加型かによって分母が変わるため、契約内容を精査しなければなりません。
ここを誤ると、税制適格SOの判定を誤り、結果として行使時に給与課税が発生する可能性があるため、十分な注意が必要です。