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税制非適格ストックオプションは「いつ課税されるのか」税制適格・有償SOとの違いを時系列で整理する

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新株予約権(SO)

ストックオプションは、同じ「新株予約権」であっても、税制適格か税制非適格か、有償か無償かによって、課税のタイミングと実務対応が変わります。なかでも税制非適格ストックオプションは、設計の自由度がある一方で、権利行使時と売却時の二段階で税務を確認する必要がある点が実務上の特徴です。国税庁は、税制非適格ストックオプションについて、取得・行使・譲渡の3段階のうち、原則として行使時と譲渡時に課税関係が生じると整理しています。

税制非適格ストックオプションとは何か

税制非適格ストックオプションとは、租税特別措置法上の税制適格要件を満たさないストックオプションを指します。税制適格ストックオプションでは、一定要件を満たすことで権利行使時の課税が繰り延べられますが、税制非適格ストックオプションではその優遇がありません。国税庁のタックスアンサーでも、税制非適格ストックオプションは税制適格ストックオプションの適用を受けないものとして整理されています。

したがって、税制非適格ストックオプションを検討する際は、まず「税制優遇がない代わりに、設計の自由度を優先する制度」であることを押さえる必要があります。

税制適格ストックオプションとの違い

税制適格ストックオプションとの最も大きな違いは、課税時期です。国税庁は、税制非適格ストックオプションについて、権利行使時の経済的利益に課税が生じ、その後、取得株式を譲渡した時にも譲渡所得課税が生じると示しています。これに対し、税制適格ストックオプションでは、一定要件を満たす限り、株式譲渡時に譲渡所得として課税される構造です。

この差は、受領者の資金繰りにも直結します。税制非適格では、まだ株式を売却していない段階、すなわち行使して株式を取得した段階で納税問題が発生し得るためです。

有償ストックオプションとの違い

有償ストックオプションとの違いも、実務では混同されやすい点です。国税庁のQ&Aでは、税制非適格ストックオプション(無償・有利発行型)について、付与時は課税なし、行使時に給与所得、譲渡時に株式譲渡益課税という流れを示しています。これに対し、有償型は取得時に対価を支払う構造であり、課税関係の整理が異なります。

つまり、同じ「税制適格ではないストックオプション」であっても、無償・有利発行型の税制非適格SO有償SOは、そのまま同列には扱えません。少なくとも、行使時課税の有無を一括して理解しないことが重要です。

税制非適格ストックオプションはいつ課税されるのか

行使時の課税

国税庁は、税制非適格ストックオプションについて、権利行使時の経済的利益に課税されるとしています。雇用契約またはこれに類する関係に基因して付与された場合、原則として給与所得になります。行使時の経済的利益は、一般に「行使時の株価-権利行使価額」に株式数を乗じて把握することになります。

国税庁のQ&Aでも、無償・有利発行型の税制非適格ストックオプションについて、行使時の経済的利益は給与所得となり、発行会社はその利益について源泉所得税を徴収して納付する必要があると示しています。

売却時の課税

その後、行使して取得した株式を売却した場合には、譲渡所得課税の対象になります。国税庁は、税制非適格ストックオプションの課税関係として、権利行使後に取得した株式の譲渡時にも課税関係が生じることを明示しています。Q&Aでも、譲渡益は「譲渡時の株価-行使時の株価」で整理されています。

したがって、税制非適格ストックオプションは、実務上「一度だけ課税される制度」ではなく、行使時の給与課税と売却時の譲渡課税を分けて管理する制度と理解した方が正確です。

会計処理はどう考えるべきか

会計面では、ASBJの企業会計基準第8号および適用指針第11号が基本になります。これらの基準では、ストックオプションは企業が従業員等からサービスを取得する対価として扱われ、付与日における公正な評価単価を基礎に費用計上していく考え方が採られています。

未公開企業については、ASBJ基準第8号13項により、公正な評価単価に代えて本源的価値の見積りに基づいて会計処理を行うことができます。この場合の本源的価値は、算定時点の自社株式評価額と行使価格との差額です。しかも、付与日現在で本源的価値を見積り、その後は見直さないとされています。

したがって、税制非適格ストックオプションの会計処理では、税務上の「行使時課税」と、会計上の「付与日評価・権利確定期間での費用配分」を混同しないことが必要です。

確定申告は必要か

譲渡時の申告要否は、証券口座の区分によって変わります。国税庁は、特定口座のうち源泉徴収口座について、その口座内の上場株式等の譲渡所得を申告不要とすることができるとしています。逆に、一般口座などで株式を譲渡して所得を得た場合は、確定申告が必要となるのが原則です。

また、行使時課税については、在職中の行使であれば会社側の源泉徴収実務が問題になりますが、退職後の権利行使については一律に単純化できません。国税庁は、退職後の行使であっても原則として給与所得となる場合がある一方、一定の場合には雑所得となることを示しています。つまり、「退職後の行使=必ず雑所得」とまではいえません。

法定調書の提出は必要か

会社側の提出書類としては、国税庁が「新株予約権の行使に関する調書」を法定調書として挙げています。提出主体は新株予約権を発行した株式会社で、提出時期は新株予約権の行使をした日の属する年の翌年1月31日です。

したがって、付与設計だけでなく、行使後の税務報告体制まで含めて制度運用を考える必要があります。

まとめ

税制非適格ストックオプションは、税制適格ストックオプションより柔軟に設計しやすい一方で、実務上は行使時課税と売却時課税の二段階管理が核心になります。さらに、会計はASBJ基準に従って付与日評価・権利確定期間の費用認識で進み、税務と完全には一致しません。

そのため、税制非適格ストックオプションを導入する場面では、「適格ではないから自由に使える」という理解だけでは不十分です。
実務では、少なくとも次の3点を切り分けておく必要があります。
誰に付与するのか、いつ課税されるのか、会社側で何を処理・提出するのか。 この3点が整理できてはじめて、制度設計として実務に落とし込みやすくなります。

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