ストック・オプションはどのように評価されるのか?

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ストック・オプションはどのように評価されるのか?

ストック・オプションの評価手法について

ストック・オプションはどのように評価されるかといえば、将来の特定時点の予想株価と権利行使価格との差額を求め、その差額を現在価値に割り引いて評価されます。
そこで、問題となるのは将来の株価をどう予測するかです。
多くの日本企業や会計士などが基準として利用している、公益財団法人財務会計基準機構によるストック・オプション等に関する会計基準とストック・オプション等に関する会計基準の適用指針によると、ストック・オプション価値評価手法の代表的な方法として、ブラックショールズ式と二項モデルが提示されています。
もっとも、さまざまな行使条件が付されたストック・オプションを評価したい場合は、ブラックショールズモデルでは計算できないケースが見られます。
そこで実務上、モンテカルロシミュレーションと呼ばれる、乱数を用いたシミュレーションを用いてストック・オプションを評価する手法が採用されるケースも少なくありません。

ブラックショールズモデル

ブラックショールズモデルは、権利行使が特定の1日のみ可能な連続時間型モデルで、原資産価格は幾何ブラウン運動することを前提に、株価の確率変動が対数正規分布に従うというモデルです。
ストック・オプションの評価単価は、数式に当てはめて直接計算されます。
もっとも、実務上は、特定の1日のみ権利行使可能なストック・オプションは発行されていません。
そのため、過去の権利行使の状況を踏まえて、合理的に想定できる権利行使日を設定することが求められます。
その設定によっても、予測値に差が出るので注意が必要です。

二項モデル

二項モデルでは、ストック・オプションの権利行使期間を細分化し、株価が上昇した場合と下落した場合とに場合分けをします。
そのうえで、将来の株価の推移を予測して現在のオプションの価値を推定する手法です。
発行条件が複雑なストック・オプションにも対応できるものの、ブラックショールズモデルよりシミュレーションも複雑になります。
そのため、計算が簡単なブラックショールズモデルが優先的に使われることが多いです。

モンテカルロ・シミュレーション

モンテカルロ・シミュレーションは、ルーレットのような偶然の要素を利用する手法であり、カジノで有名なモナコの地域名から名付けられています。
起こりやすい値や起こりやすい数値などを予測して設定し、それをもとに何度となくシミュレーションを繰り返していく方法です。
発生可能な結果を数多く得ていくことで、予測の正確性が高まる手法です。

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